鳴かぬなら 鳴くまで待とう
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、三人の大名の性格を言い表した3句。
鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス 織田信長
鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス 豊臣秀吉
鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス 徳川家康
私が小学生の頃、歴史の授業でこの3句を学んだ時に抱いた感想は、「自分は秀吉的な思考が好きだな」といったものだった。
思い通りにならない対象を殺してしまうのはあまりにも物騒だし、ただひたすらに待つというのも芸がないような気がしたからである。
あれから20年程の月日が流れ、今の私は徳川家康の考え方が一番気に入っている。
大学を卒業し、就職して、社会人としての年数を重ねていくごとに、家康寄りになっていった。
努力の方向性も正しいし、努力量も少なくない。じゃあ、その人が必ず成功するかというと、現実問題として、そうではない。
何が足りないかというと、その人個人に足りない面があるというよりは、単にタイミングの問題だったりする。こういうことが意外と少なくない。
そんな状況の時、「自分はこんなに頑張っているのに報われない!!」と怒りを爆発させたり、絶望に陥ったりする人がいる。
そういった人は今まで継続していた努力をそこで止めてしまったり、勤めていた会社を辞めてしまったりする。要は、プッツンしてしまう。
これは、めちゃくちゃもったいないのである。今までの努力が、まさに水の泡。
単にタイミングの問題なので、良いタイミングが来るまで、大人しく待つのが最良だと思う。
忍耐に次ぐ忍耐の上、200年続く江戸幕府を作った徳川家康は名言を多く残している。
・人の一生は、重荷を負うて遠き道をゆくがごとし。急ぐべからず。
・堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。
・戦いでは強い者が勝つ。辛抱の強い者が。
・人生に大切なことは、五文字で言えば「上を見るな」。七文字で言えば「身のほどを知れ」。
色々と言っているが、突き詰めると要は「決してプッツンするな」ということなのだと思う。
人生、自分にはどうしようもコントロールできないことがたくさんあるけど、自分がコントロールできる部分に限って正しい努力を重ねる。
あとは、プッツンせずに、大人しく待つ。これぞ最善である。
新しい生活をスタートさせる人も多い春。
自分の周囲にもそういった人もいて、こんなことを考えていた。自分は粘り強く生きていこう。